ニードルで羊毛を刺し付けていくのに対して、ピンセットは羊毛を取り除いていくのに使っています。羊毛はとても細くて、作っているものも小さいので、羊毛が1本ずつでも掴めるように先の尖ったピンセットが使いやすいです。
羊毛を取り除く場面は主に次の2つです。
- 羊毛の切れ端など、混ざってしまった羊毛を取り除く
- パーツを大きく作ってしまったときに羊毛を減らしてサイズ調整する
羊毛の切れ端など、混ざってしまった羊毛を取り除く
羊毛フェルトを作っていると、意図しない色がいつの間にか混ざっていることがよくあります。ハサミで切った切れ端だったり、違う色のパーツをつないだ境目で色が混ざってしまったりと色々です。多少混ざっても見た目に気にならない程度ならいいのですが、薄い色と濃い色が混ざるとよく目立つので、こういったものを取り除いていくのにピンセットを使います。色が混ざった例が次の画像です。
ニット帽をかぶった人形の顔を横から見たところです。帽子の縁の白い部分に黒っぽい羊毛がくっついています。
人形の胴体部分で、服とスカートの境目で白と青と黒の羊毛が互いに混ざっています。
切れ端がくっついている場合(1つ目の画像)はピンセットで簡単に取り除けるのですが、ニードルで刺し込まれているような場合(2つ目の画像)は引っ張って抜くことになります。引っ張る場合は、簡単に抜けるならそのまま抜く、簡単に抜けないなら色の境目に合わせてハサミで切るといったことをしています。無理に引っ張るとまわりの羊毛も引っ張られて飛び出したりするからです。取り除いた結果が次の画像です。
左が取り除く前、右が取り除いた後です。目立たなくなりました。
ピンセットで取りにくい場合は、羊毛を少し被せてニードルで刺して隠すときもあります。
パーツを大きく作ってしまったときに羊毛を減らしてサイズ調整する
羊毛フェルトでパーツを作っていてよくあるのが、「思ったよりも大きくなってしまった」ということです。小さい場合は後から足していけばいいのですが、そう思って小さく作り始めてもなぜか大きくなってしまうことが日常茶飯事です。大きくなったからといってハサミで切ってしまうと、切り口で羊毛の端がそろってしまって、もう一度ニードルで形を作ろうとしても羊毛が絡みにくくて難しいです。そこで使えるのがピンセットです。画像で紹介していきます。
人形の胴体と足のパーツを繋げるところです。このままつなぐと足が少し長くなってしまうので短くしていきます。
ピンセットで羊毛を少しずつ引っ張り出していきます。一度に大量に引っ張ると絡まった羊毛が全部引っ張られるので予想以上に出てきてしまいます。少しづつ確認しながら引っ張り出すとうまくいきます。また、羊毛が固く刺し固められている場合でも、少しずつやれば引っ張り出すことができます。
引っ張り出す前(左)と後(右)です。引っ張り出した後はフェルト状になっていたものがほぐれているので、ニードルで再度刺し固めたほうがよいです。見た目より中がスカスカになっていたりします。最終的なサイズより少し大きめに残して、ニードルで最終サイズに整えるといった流れです。
胴体に足をつないでみると、いい感じの長さになりました。
こういった風にピンセットで羊毛を少しづつ引っ張り出していくことで、サイズを小さくすることができます。ハサミで切ったときのように羊毛の端がそろってしまうこともないので、あとでニードルで刺し固めることもできます。
羊毛フェルトで小さい人形を作るときにピンセットは色々と役に立っています。
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