羊毛でいろいろな形を作るための道具が、フェルト用のニードルです。今回はこれについて紹介していきます。
ニードルの種類
羊毛フェルト用のニードルは裁縫道具の針と違って、針の先にギザギザの切れ込みが入れられています。羊毛の塊にこのギザギザのついたニードルを刺すことで、ギザギザに羊毛が引っかかり、それによって羊毛どうしが絡まりあってフェルトになる仕組みです。絡まり具合によって、出来上がるフェルトがやわらかかったり固かったりといった違いが出てきます。
ニードルには太さの違い、ギザギザの数や深さの違いがあって、羊毛への引っかかり具合が変わってきます。下の図でいうと、上が引っかかりやすく、下が引っかかりにくくなります。自分の作るもの(サイズや固さ)にあわせて選ぶことになります。
僕の作る人形はサイズが小さくてパーツもとても小さいので、細いニードルを使っています。人形を作り始めたころは標準的な細いニードル1種類で最初から最後まで作っていたのですが、今は効率よく作るために、用途によって2種類のニードルを使い分けています。
- 形を作るとき → 荒いニードル
- 表面を整えるとき → 細かいニードル
- パーツをくっつけるとき → 細かいニードル
「荒いニードル」「細かいニードル」というのは便宜上つけた呼び方ですが、荒い=引っかかりやすい、細かい=引っかかりにくい、という意味です。荒いニードル(引っかかりやすい)でまず形を作って、細かいニードル(引っかかりにくい)で仕上げるといった感じです。
いろいろなニードルを試したわけではないのですが、今のところ、荒いニードルとして、クロバーのスピード針、細かいニードルとして、クロバーのレギュラー針を使っています。ニードルの太さとギザギザの深さはどちらも同じくらいで、スピード針の方が、ギザギザが先の方に集中しています。引っかかりが多いので、名前の通り、レギュラー針より少ない回数の刺し込みで目的の形までもっていくことができています。上の図でいうと、真ん中の列(ギザギザの数の違い)の上と下の違いになります。ただ、かなり小さなパーツの場合は荒いニードルだと引っかかりすぎて形を作りづらいこともあるので、そういった場合は形を作るのにも細かいニードルを使っています。
ニードルを使い分ける例
上で述べた、「形を作るとき」「表面を整えるとき」「パーツをくっつけるとき」のそれぞれで使い分けの例を挙げてみました。
形を作るとき
荒いニードルで深く刺していきます。大きいものを作る場合はニードルは突き抜けないと思うのですが、小さなものを作ることが多いので、基本的にはニードルが羊毛を突き抜けます。気にせずに形を作っていきます。固くするために何度も刺し固めます。ふわっとした柔らかいものを作る場合はまた違ってくるのかもしれません。
形が出来上がったら、次の表面を整える作業に入ります。
表面を整えるとき
細かいニードルで浅く刺していきます。ニードルが突き抜けると反対側がでこぼこになるので気をつけます。表面を整える作業は止め時を判断するのが難しいところがあります。目を近づければ近づけるほど凸凹が見えてくるのできりがありません。集中しすぎると全体が見えなくなるので、できるだけ普通に見る距離くらいで見てよさそうならそこでやめるようにしています。次が薄いパーツの場合です。
薄いパーツでは、斜めに刺すなど、突き抜けない方向を探して刺していきます。上の画像の左側は斜めに刺しているところです。このパーツはくっつける部分は刺し固めずにのりしろ部分を残しています。(パーツの左の部分)
パーツをくっつけるとき
細かいニードルで突き抜けない程度に深く刺していきます。パーツが小さい場合、荒いニードルだとパーツを変形させずにくっつけるのが難しいので、細かいニードルを使っています。
このような感じでニードルを使い分けています。
これまでの画像からわかりますが、僕はニードルを直接持って使っています。ホルダーといって、ニードルにつける「持ちて」があるのですが、直接持つ方が自分には合っていたのでそのままやっています。ただ、局所的に指が押さえつけられるので手が痛くなりやすいのが欠点です。(手が痛くなったり、腕が疲れたりするので、利き手と反対の左手でもできないかとたまに試したりするのですが、いまのところ左手ではうまくできません。)
以上、ニードルについての紹介でした。
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